人工知能(AI)システムの規模拡大と性能向上に伴い、その消費電力も急激に増加している。
海外メディアの報道によると、米マサチューセッツ大学アマースト校(University of Massachusetts Amherst)マニング情報・コンピュータ科学大学院(Manning College of Information and Computer Sciences)の教授であるHava Siegelmann氏が率いる研究チームは、人間の脳の中核的な動作メカニズムにより近い形で動作する新たなAIを開発した。この研究は主に二つの補完的な目標に焦点を当てている。一つは、AIが固定された学習段階だけでなく、リアルタイムで継続的に学習できるようにすること、もう一つは、知的計算における消費電力を大幅に削減することである。
このほど『ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)』に発表された研究は、消費電力を大幅に削減した上でも、AIが高度な能力を実現できることを示している。
Hava Siegelmann氏は次のように述べている。「現在のAIは高性能ではあるものの、極めて電力を消費します。私たちの研究は、高性能でありながら動作効率を大幅に向上させたAIを構築することが十分可能であることを証明しています。」

人間の脳と既存のAIとの間の消費電力の差は極めて大きい。米国立衛生研究所のデータによると、人間の脳は約860億個のニューロンが並行して動作し、総消費電力はわずか約20ワットであり、これは小型のLED電球の消費電力に相当する。一方、現在の最先端AIモデルでは、学習プロセスにおける消費電力が数千万ワットに達し、さらに大規模データセンターに依存して動作する必要がある。
人間の脳がこれほど高いエネルギー効率を実現できる主な理由は、非同期動作にある。特定のタスクを実行したり情報を更新したりする際には、ごく一部のニューロンだけが活性化されるため、脳は極めて低い消費電力で複雑な行動を実現できる。
